金の卵を産むガチョウ

ある日農夫は飼っているガチョウが黄金の卵を産んでいるのを見つけて驚く。それからもガチョウは1日に1個ずつ黄金の卵を産み、卵を売った農夫は金持ちになった。

しかし農夫は1日1個しか卵を産まないガチョウに物足りなさを感じ、きっとガチョウの腹の中には金塊が詰まっているに違いないと考えるようになる。そして欲を出した農夫はガチョウの腹を切り裂いた。ところが腹の中に金塊などなく、その上ガチョウまで死なせてしまった。

むかし読んだどっかの物語ですね。目先の利益(金の卵)と利益を生む能力(ガチョウ)に例えて、人間は利益の大きさだけでなく、利益の獲得タイミングも選択の材料にする。

端的に言えば目先の利益に飛びつきたくなるということですね。教育というのは子どもに投資して社会で価値を生み出せる人間にする…100万円かかったとしても、1000万円多く生み出せるようになれば元は取れるわけです。ところが日本は本当に教育にコストをかけません。GDP比でOECD諸国38か国でワースト二位です。

金の卵を産むガチョウを殺しているわけです。その代償はどこに行くのでしょうか?

教員の長時間労働問題だって根本の問題は結局は金をかけられないからに尽きるんですよね。部活だったり事務作業だったりを教員じゃなくても出来るような仕事を請け負ってくれる人を雇えるなら

教員の負担は減ることは間違えないですよね。解決方法は分かっているわけです。

人間はそもそも半日近くも働くような状態に出来ていません。毎日働くことも出来ません。毎年自ら命を絶ってしまう教員だって100人近くいるわけです。

そこまでいかなくても、スレスレの状態で働いている教員を入れたら大勢いるわけです。そんな不健全な状態で子ども達をすくすくと育てるのは本当に大変しんどいと思います。

またこんなにも各国に比べて日本の教員に働いているのに、タスクに追われて、職能開発に時間が取れないのも特徴です。これは教員に自己研磨の意識が薄いのではなく、あまりにも忙殺されていて、そんな余裕なんて全くないからです。どうすれば日本の教育が良くなるか?教員が休むことだと思います。教員が心身を削ってどうにかなっているように錯覚しているわけですから予算は増えません。僕は個々の教員を救うために言っているわけではなく、子ども達により質の高い教育を受けさせたいがために思っているところが一番強いです。

でも個々の教員には難しいんですよね。本当に責任感の強い人たちばかりのだから…採用の段階から無償の愛を貫けるような教員を雇っているわけですから。

僕が働いていたところは私立なので、普通の労働基準法に則るわけですが公立学校はいくら働いてもお金変わらないんですよね。まずは給特法を消せ。

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