勉強が出来る要因は、遺伝説、環境説、経済力説、学者の中でも意見が大きく分かれる議論です。僕は幼少期の環境が8割を決めると思っている派です。ではどのような環境を築くべきかという話をしていきます。
中学受験をするために早いうちから勉強したら、頭がいい子に育ちやすいのでしょうか?確かに中学受験を経験した人は学力が高いです。中学受験を経験していない中1と、中学受験をした中1では天と地の差があります。しかし大学受験、就職活動、社会人としての労働と長い目で見るとこの差はそこまで大きくありません。僕は重要なのは早期教育よりも知的なコミュニケーションだと思っています。たとえば、簡単な例だとスーパーに行って代金やお釣りを計算させたり、一緒に料理してお好み焼きを作り、お好み焼きの粉100gにつき卵を1個入れる。じゃあ400gの粉で作るに必要な卵の数は?と用意させたり、そういう積み重ねが後々に大きな差になると思っています。
幼少期に学力を鍛えたら、確かに同年代よりも大きくなります。しかし、そのアドバンテージは年齢が高くなっていくほど縮まります。一方で現実で存在する“比”を考えること、それを人に話すこと、こういう人間の土台となる能力は一生を通じて大きな差になります。大学受験ではこの土台があると本当にのびます。
だから僕は中学受験は無理にでもしたほうがいいかといえば微妙な考えです。中学受験をする家庭ほど、教養力が高い傾向はあるので、自然とそういう機会に触れる子が多く、結果を残す生徒は多くなります。だから逆に公立中学校公立高校でも保護者が良い接し方を出来ている良い成績を残します。学校教員時代に保護者面談で保護者と話していると強く感じます。別に専門的な知識が必要なのではなく、子どもの話を聴いてあげる親、いくつになっても学んでいく背中を見せられる親、子どもの夢中を応援してあげる親、これらをやるかどうかで天と地の差だと思います。