こんにちは
今回は、保護者様からよくいただく
「高校受験と大学受験ってどう違うのですか?」
という質問について、僕自身の受験経験も含めてお話しします。
結論をひと言で言えば、
高校受験は“一発勝負”、大学受験は“戦略勝負”。
この違いを理解しておくと、お子さまの進路選択が大きく変わります。
■ 高校受験は“一本の矢”で勝負する試験
特に公立高校志望の場合、合否は本番のテスト1回だけで決まります。
県立相模原高校に挑戦するか、座間高校で安全にいくか。
「併願の私立には行きたくないから、座間で妥協するべきか…」
こんな悩みは本当に多いです。
実際に、
相模原に挑戦 → あと数点届かず → 私立へ
ということは珍しくありません。
弓道で言えば
“一本の矢しか与えられない”
ようなものです。
高校受験には、どうしてもこの残酷さがあります。個人的には公立プラス私立のオープン入試で確約校より高いところを受けることもおすすめしています。
■ 一方、大学受験は“自分で矢を増やせる試験”
大学受験は大きく構造が違います。
- 試験日程が1月末〜2月下旬まで分散
- 複数学部を併願可能
- 挑戦校・相応校・安全校を自由に配置できる
つまり、
受験チャンスを自分で増やせる のです。
第一志望の国公立を除けば、
“できるだけ良い大学へ”という考え方が非常に取りやすい試験でもあります。
■ 推奨するのは「T字型」の受験戦略
よくある
「挑戦校・相応校・安全校を均等に」
という I字型 ではなく、
僕は T字型 をおすすめしています。
- 挑戦校:1
- 実力相応校:8
- 安全校:1
実力の上下幅を“横に広く”受けることで、
お子さまの進学可能性を最大化できます。
■ 私自身もこの戦略で受験しました
私は理工系志望でしたが、
「東工大・慶應・早稲田のどれかに受かれば十分」という考えでした。
空いた日程には、横国後期や早稲田教育を組み込んで、
戦略的に受験計画を作りました。
結果は以下の通りです。模試の判定は得意科目と苦手科目の差が激しかったので、ちょっとバランス悪くなっています。
- C東京工業大学(前期)…不合格(あと数点)
- D慶應義塾大学 理工学部…補欠 → 繰り上げ合格(ギリギリ)
- D早稲田大学 創造理工学部…合格
- C早稲田大学 教育学部…不合格
- B東京理科大学 理学部工学部…合格
- A法政大学(センター利用)…合格
- B横浜国立大学(後期)…早稲田合格のため未受験
東工大-慶應-早稲田-横国というT字の横のラインと東京理科大学という安全校、法政大学という超安全校というT字の縦のラインです。
■ 合格者は「ボーダーより少し上」が最も多い
合格者の“ボリュームゾーン”は、ボーダーから数点上の層です。
大学側も「高得点者だけを大量に取りたい」わけではなく、
合格基準点を中心に“山型の分布”を作るように合否を調整します。
つまり──
✔ 東工大のような難関校ですら
→ ほんの数点の差で合否が分かれる
✔ 慶應や早稲田ですら
→ 安定した高得点ではなく、“ボーダー付近”が最も多い
これは受験の本質を正確に表しています。
■ だから大学受験は「運・相性・戦略」がものを言う
東工大は射程圏内だったのに、数点届かない。
慶應は補欠から最後に滑り込む。
横国は受けられたけれど、進路を自分で決めて未受験。
こうした要素が複合して、
大学受験の結果は形作られます。
大学受験は
“1問の差”で人生が変わる世界
であり、だからこそ
✔ チャンスを広げておく
✔ 併願設計を最適化する
✔ 本番の相性の揺れを計算に入れる
ことが大切なのです。
■ 最後に
高校受験はどうしても“一発勝負”。
大学受験は“戦略で未来を選べる試験”。
だからこそ、
お子さまに合った受験設計と、
安全に未来を残す併願戦略が重要になります。
フルスマでは、
勉強だけでなく「受験の設計」まで含めてサポートしています。
進路のことで迷われた際は、
どうぞいつでもご相談ください。
お子さまにとって最善の未来を一緒に描けるよう、
全力で伴走いたします。


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