部活はキラキラ

今日は去年まで非常勤講師で勤めていた学校でダンスの講演会があって、誘われてやったーって感じで行きました。Here we go.

もうなんといっても「キラキラ」に尽きます。進学校の部活は独特の輝きを感じます。本当に感動しました鳥肌立ちました。

教員をやっていると生徒と接する機会のほとんどの時間は授業時間です。特に前の学校では専任ではなく非常勤講師だったのですが、非常勤講師に授業以外の職務などありません。僕は割と楽しい授業を心掛けてはいますが、子ども達が心の底から数学を楽しむことなんて難しいと思います。多かれ少なかれ、定期テスト、内申点、受験勉強こうしたものを意識しなくてはならないからです。中にはたまに重度の数学好きという人も年に一人二人はいて受験勉強なんて2の次というような変態ですが、彼らにとっては学校の授業を聞くだけなんて退屈でしょうから自分でどんどん進めていきます。そういう意味では僕の授業が好きという人はいてくれても、授業中に数学自体にキラキラする人は少ないような気がします。

でも部活は自分が好きでやっていますから。表情を見ると”授業”で見せる表情とも違います。休み時間に友達と談笑する表情ともまた微妙に違います。観客からすればたったの一時間かもしれませんが、あの完熟されたクオリティを一時間に凝縮させる日々の訓練は楽しいことだけではなかったとは思います。休み時間で楽しく過ごす友人と部活動で一緒に目的を達成する仲間はまた違います。中には辛いとか辞めたいとかそういう葛藤もゼロではなかったんじゃないかと勝手に妄想しています。

なぜか。

僕は部活動とは縁の薄い人間でして中学テニス部は顧問に指示ばかりされることに嫌気はさし、高校囲碁同好会では緩すぎて熱量が足りませんでした。両方途中で辞めました。
唯一自分の中でキラキラしていたと思うのは大学のアメフト時代です。大学のアメフト部は大人が絡まず、新入生歓迎、渉外、合宿の組み立て、OBとの交流会、練習試合の設定、試合の作戦、練習メニューの組み立てすべて自分たちで分担して決めました。試合前なんかみんなピリピリしていていつも先輩たちで喧嘩していましたね。体育会系に混じってしまった僕はシマウマのようで運営よりも遅れないようにすることで精一杯でした。辞めようと途中で思ったことは何度もありました。というより辞めたいです言ったら先輩たちにご飯に連れてかれ、辞めれませんでした。練習はとにかく辛かったですが、試合に勝った時の感動はあれより勝るものはありませんでしたね。あとは生まれついた時から謎に体ががっちりしやすい特性が初めて活きましたね。(↓なんか賞はもらった)。あの経験がなければ部活動に熱中する生徒の気持ちは分からなかったかもしれませんね。


教員としても部活動は縁が薄かったです。実は最初の職場の一年目では柔道部の顧問と漫画研究部の顧問をやっていました。名ばかりで幽霊部員ならぬ幽霊顧問です。僕は新卒一年目は特進コースの高三生を見ていたので、教科指導に全力を注いでいました。教員室が閉まる時間よりも自習室が閉まる時間(20:00)のほうが遅いという何とも変な学校でしたが、自習室に忍び込んで勉強を教えたり、zoomで質問対応したりと管理職の先生にも注意されました。今は夜は塾の仕事もありますし、非常勤講師では質問対応がしにくいのは残念ですね。懐かしい。
もう一人の年配の顧問の先生には「君がずっと自習室で勉強を教えてるのは知っているから気が向いたときに来てくれればいいよ」と言ってくれたことは忘れません。A先生ありがとう結局一回しか行っていませんでした。

固い話にはなりますが学習指導要領的には部活動の目的にはこう定められています。
“生徒の自主的,自発的な参加により行われる部活動については,スポーツや文化及び科学等に
親しませ,学習意欲の向上や責任感,連帯感の涵養等に質するものであり,学校教育の一環とし
て教育課程との関連が図られるように留意すること。”

僕はそもそも「部活動をやるために教員になりました」という教員は好きじゃありません。そういう部活動を進んでやりたがる教員は自分が主役になりたがります(特に球技)。部活動はあくまでも生徒のものであり、教員にとっては勝ちよりも大事なのは自主性です。進学校の部活がキラキラしているのは、生徒の自主性が強く出るからです。公立中ではなかなか難しいですが、部活動の顧問は出来る限り運営の主導権を生徒に渡すことが大事だと思っています。結果的に社会で活躍できる人材は勉強が出来ることよりも自主的に夢中に取り組んだ経験だと思っています。


僕は大人の中ではかなり好き勝手やっていると思っています。ある時は社長という立場で好き勝手にやりたい仕事だけをやり嫌な仕事は逃げて、ある時は学校やスイミングスクールのバイトでのんびりと楽しくやっています。
僕の同年代は若手から脱却し始めて、どれぐらい出世して、どれぐらい稼げるかばっかり気にするような年齢になってきますが、僕はさほど興味ありません。むしろそういったものは自分の自由を奪ってしまうと思っています。どれだけ自由にいられるか、すなわちどれだけキラキラできるかが僕の中の勝ち負けの指標です。正直大人相手には負けなしです。

でも今日のホップダンスの発表を見たら…
負けましたね。
陰キャの自分のキラキラの質で勝てません。また明日から好きなことに熱中しようと思いました。彼女らに負けないように頑張ろう。
大人から学ぶことより生徒から学ぶことの方が多いのが、教育系の仕事のいいところです。



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