頭のおかしい進路選択すき

進路面談では、まず最初にこう聞きます。
「行きたい学校はある?」
「あります。」という子なら、その理由を聞きます。
部活動なのか、学校の雰囲気なのか、将来やりたいことにつながるのか。あれば、その学校を目標に一緒に頑張ります。
一方で、「特にありません。」という子も少なくありません。その場合は、学力や通学時間をもとにいくつか候補を挙げ、それぞれの学校の特徴や雰囲気を説明しながら、一緒に考えていきます。


もちろん、性格と学校があまりにもミスマッチならおすすめはしません。例えば、とてもおとなしい子なのに学校の雰囲気が合わなそうだったり、その逆だったり。
高校は3年間毎日通う場所です。


だから偏差値だけではなく、「その子に合う環境かどうか」も大切にしています。


でも、そんな中で僕が好きなのが、「頭のおかしい進路選択」をする子です。
例えば、
「高校野球を見に行ったときにある高校の野球部に憧れて、マネージャーになるために毎日2時間かけて通います。」
そんな話を聞くと、僕は必ず確認します。
「遠いよ?」

すると返ってくるのは、
「それでも行きたいです。」
という答えです。
面白いことに、そういう子は僕が何度確認しても気持ちは変わりません。僕の質問で「じゃあやめようかな」となることは、ほとんどありません。
というより、その子たちにとっては「相談」というより「報告」なんです。
もう本人の中では覚悟が決まっている。
だから僕も
「よし、じゃあ行ってこい。」
そう背中を押します。
一方で、こんな生徒もいました。
進学校を十分狙える学力があったにもかかわらず、「家から近いから」という理由で、偏差値だけを見れば少し下の高校を選んだ子です。
周りから見れば、「もっと上を目指したほうがいいのでは?」と思われるような選択だったかもしれません。
もちろん僕も、
「本当にそこでいいの?」
と確認しました。
でも本人の意思は変わりませんでした。
高校では自分のペースで勉強を続け、学校生活も充実させながら過ごし、結果的にその高校ではかつてないレベルの大学へ進学しました。
でも、その子にとっては「近いから」という理由は妥協ではなく、自分に合った環境を選ぶという立派な判断だったのだと思います。
進路は偏差値だけで決めるものではありません。
もちろん学力は大切です。でも、それ以上に大切なのは、「自分で考え、自分で決めた進路かどうか」。
偏差値だけを見れば、もっと良い選択肢があることもあります。それでも、自分の価値観で選び、その選択に責任を持とうとする子は強い。
僕はそんな生徒たちに、将来への期待を感じます。だから僕の仕事は、生徒の人生を決めることではありません。
必要な情報を伝え、リスクも説明した上で、最後に背中を押すこと。
「よし、じゃあ行ってこい。」
その一言を、自信を持って言える塾長でいたいと思っています。

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