僕は小学校のころは、ちょうど真ん中ぐらいの成績でした。漢字とかは苦手。ただ唯一、得意だったのが算数で、塾に通って中学受験の難しい問題が解けるというわけではなかったのですが、計算力にはかなり自信がありました。
相武台の町には有名なそろばん教室があり、同級生にもそこに通う生徒が多く、100マス計算では勝てないのが悔しくて100マス計算はいまだに嫌いなのですが、分数とか複雑な計算ならクラスで1番早いぜ〜って感じでした。計算力があれば、中学校に上がって数学でも計算力に余裕があるから、時間を思考に回すことができるので、やはり算数ができる生徒ほど数学も伸びやすいと思っています。計算が遅いと中学で、計算でつまづき数学の面白い部分に触れる前に嫌になってしまうと思っています。
僕は父親が数学の教員をしていました。ドライブをすると、ナンバープレートで四則計算を行い、10になる組み合わせを見つけることを父と兄と僕でやっていました。たとえばナンバーが4236だとすれば、3×6=18、4×2=8、18−8=10のような感じです。買い物に行ったら、だいたいの金額を計算することもありました。僕は元教育者として、幼い頃の知的なコミュニケーションをいかに取るか、これが学力を分ける大きなファクターだと思っています。僕の家では数学的な話が多かったので僕自身も、引っ張られたのではないかと感じます。
幼い頃から数字や図形に触れること。これが10年後の数学力で1番影響のあることだと思っています。ナンバープレートの計算ではなく、気づかないところで数字との触れ合いが多く、その積み重ねが今の自分を作っているのだと。自分に子どもができたとしたら勉強としての算数ではなく、身の回りの数字を触れさせてあげたいと思いました。そういう意味で父親には感謝です。