高校数学の洗礼

高校に上がって急に数学が苦手になってしまう現象ってよくあるんですよね。

中学数学と高校数学はけっこう別物なんです。

中学数学は小学校で習った算数に毛が生えたものだと思っています。計算式を処理したり、関数という概念を理解したり、図形で遊んでみたり…あまり変わりません。

中学数学では要領良く数式やグラフ、図形を処理していく能力が求められます。「この問題はこの公式を使う」、「この数式はこのように計算する」のようにパターンを覚えてしまえば、考えることが苦手な生徒でも点数は上がります。

ところが高校数学ではその方法で乗り越えてきた生徒にとっては険しい科目に変わります。

|x|+|x-2|=4 数学Iの一章で出てくるこの問題。ただの方程式に見えますが、xがこの場合の時にはこういう風に式が変形さえれて…のように場合分けが必須となります。ただ答えだけ合っていても◯はもらえず、どんな数学者が突っ込んでも破綻しない解答を書く必要があります。

そもそも論として数学とは計算する学問ではありません。僕は数を使って、ロジックを積む学問だとイメージしています。単純な解法暗記ではなく、「数」という存在への理解が大切になっていきます。

「円周率って3.14…みたいだけど、そもそもこの数字にはどんな意味があるんだろう」

「sinの定義ってなんだっけ。これを定義することでどういう嬉しいことがあるんだろうか」

そういう自然に出てくる疑問を湧き起こし、解決させ一つ一つ理解を深めていく生徒が、入試問題を解くための土台を築くことが出来ます。

ただこれはネガティブな話ではなく、考えることが好きな生徒にとっては逆にチャンスかもしれません。僕も計算ばかりやらされ、難問になると直感が必要になる中学数学よりも、ロジックを積み立てて完成させる高校数学の方が身に馴染みました。

高校数学では完全一対一でしか募集していないのも、そういった土台を築くには片手間で教えていては難しいからなんですね。一緒に土台を作りたいという方はぜひフルスマ式数学へ。オンラインも対応しています。

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