日本人男性の身長の平均171cmである。
これは統計的な事実です。だから男性で身長が160cmの人がいたとしても、190cmの人がいたとしてもその事実を否定することはできません。正規分布に従えばその平均の171cmの人が1番多いだけであり、様々な身長の人がいることは誰でも理解できるでしょう。
それに対して
セキツイ動物とは背骨がある動物のことである。
これはただの定義です。たった1つの例外があってはいけません。背骨がないのにセキツイ動物に分類されるものがあれば、その定義は崩壊しています。
この統計的な事実と定義がごっちゃになる人が多いように感じます。
「学校に早く着く生徒ほど、成績がいいぞ」という話に対して、○○くんはいつも遅刻ギリギリなのに成績が高い、だからこれは嘘だ!とは導けません。あくまでも傾向という統計的な事実なので、例外があるのは身長の例と同じです。
また「じゃあ学校に早くいけば成績が伸びるんだ」となる人。実はこれも間違えてる可能性もあります。早く着くのと成績の良し悪しには相関関係があることが言えても、因果関係があるとは限らないわけです。真面目な性格な人という原因に対して、早く学校に着くという結果と成績が高いという結果をそれぞれ引き起こしている可能性だってあるわけです。そうなれば早く学校に行ったとしても成績が上がるわけではありません。
社会に生きていくと、この辺りの論理が理解できない大人が多いように感じます。
なぜか理解できないか?
数学を着実に勉強してこなかったからだと思っています。数学は何のために勉強するの?というベタな質問がありますが、僕はその答えはここに詰まっていると思っています。もっと言えばしっかりと数学を勉強すれば論理的思考力が身につき、身についていない人たちと競うことになれば無双できるはずです。数学は計算ができるようにする学問ではありません。賢く生きるための武器です。