大学への受験勉強ってコスパのいい人はほんの一部の人だけではないんじゃないかと思うことがあります。
もちろん勉強自体には価値があります。知識を体系的に学べますし、努力する力や論理的に考える力も身につきます。そして大学に進学することで、研究や専門職など新しい道が開ける人もいます。
ただ、日本は今**大学進学率が約60%**の社会です。多くの人が大学に進学する時代になっています。
大学進学には
- 約500万円前後の学費
- 4年間という時間
という大きなコストがあります。本来これは一つの「投資」です。
だからこそ、その投資に見合う価値があるかどうかは、一人ひとり違うはずです。
私は高卒をすすめたいわけではありません。ただ、「とりあえず大学」という進路が当たり前になりすぎているようにも感じています。
なぜ「とりあえず大学」になるのか
その背景も理解できます。
親はやはり大学には行ってほしいと願うものです。
学校の先生にとっても、進学してくれた方が進路指導としては安心です。
就職を斡旋する責任を負わなくて済むからです。
そして多くの人は、特別なきっかけがなければ
「大学にはとりあえず行くもの」
という空気の中で育ちます。実際、私自身もそうでした。
ぼんやりと生きていたら、大学には行くものだと自然に思っていました。
学校の成績は「学問ゲーム」
学校の成績というのは、学問の能力を測るためにテストやレポートという形で評価しやすく噛み砕いたものです。もちろん大切な能力ですが、社会で求められる能力はそれだけではありません。
例えば
- 人と話す力
- 行動する力
- 手を動かす力
- 何かを作る力
- 物を売る力
こうした力が社会では大きな価値を持ちます。
大事にしてほしいのは「好きな行動」
生徒を見ていると、成績とは別に
その子が楽しそうにしている瞬間があります。
例えば
- 英語の授業でALTの先生と話すのが楽しかった
- 体育会系の部活のノリが好きだった
- ダンス動画を編集するのが好きだった
こうした経験には、その人の適性のヒントが隠れていると思います。
私は生徒に「将来何になりたい?」と聞くよりも
「どんなことをしていると楽しい?」
という問いの方が大事だと思っています。私が高校生ぐらいの子に思うのは、その適性を活かさないのは勿体無いような…と思うことが非常に多いのです。
人にはいろいろなタイプがあります。
- 学問を深めるのが向いている人
- 手を動かして技術を身につけるのが向いている人
- 何かを作ったり表現したりするのが向いている人
もし実務でポテンシャルを発揮しやすいタイプの人が「とりあえず大学」に進んでしまうと、
自分の武器を使わないまま4年を過ごしてしまうこともあります。
例えば
- 電気工事などの技術職
- 海外で働く経験
- 動画編集などのクリエイティブな仕事
大学でしかできないことなんて、学問の研究か特定の資格の取得ぐらいしかないんじゃないかって。
ポケモンのタイプ相性
人それぞれ強みがあります。
実務タイプの人が大学という環境で戦うのは、
例えるなら
水タイプのポケモンで草タイプと戦うようなものです。
勝てないわけではないけれど、本来の強みを活かしているとは言えません。
大学は必要な人が行く場所
大学は
- 学問を深く学びたい人
- 研究をしたい人
- 専門職を目指す人
にとっては、とても価値のある場所です。ただ、すべての人にとって唯一の正解とは限りません。
大学進学率60%の社会だからこそ、
- 学問の道
- 技術の道
- 実務や創作の道
といった多様な進路が、もっと自然に選ばれてもいいのではないかと思います。
最後に
繰り返しますが、私は大卒に価値がないと言いたいわけでも、高卒を勧めたいわけでもありません。
ただ、これまで多くの子どもと関わってきて感じるのは、
ほとんどすべての子どもには、その子なりの「好き」があるということです。
勉強の成績とは関係なく、「好き」は、必ずどこかにあります。
そして、その「好き」は将来の適性のヒントになることも多いと思っています。
ただ、学校教員としての進路指導で難しいのは
その好きがなかなか表に出てこないことです。
子ども自身も気づいていないことが多いですし、周りの大人もそれを引き出すのが意外と難しい。
だからこそ進路は、
「大学に行くかどうか」という話だけではなく、
その子がどんなことをしている時に楽しそうなのか。
天職とは意外とそんなところからでてくるものなのかもしれません。


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