「好きな仕事」と「得意な仕事」、どちらを選ぶべきか。
よく聞く問いです。
でも、僕の結論はかなりシンプルです。
「どっちも取れ」です。
もちろん現実はそんなに簡単ではありません。
好きだけど向いていない仕事もある。
向いているけど、心が死ぬ仕事もある。
だから大切なのは、
「何に興味があるか」だけではなく、
「自分がどういう能力特性を持っているか」
を理解することだと思っています。
自分語りをします。僕の興味は「教育」でした。
子どもと話すのも好き。
「わかった!」という瞬間を見るのも好き。
でもそれは、献身的な理由だけではありません。むしろ、常識に染まりきる前の子どもたちの純粋な視点に触れ、対話の中で自分自身にも発見がある。そこに教育の面白さを感じています。だから昔、学校教員になりました。
でも続ける中で気づいたんです。
「教育」は好きだった。でも“学校教員”には適性がズレていた。
学校教員という仕事は、実はかなり高度なマルチタスク職です。
授業、テスト作成、保護者対応、提出物管理、会議、生徒指導。
それらを同時並行で高速処理していく。
僕はどちらかというと、
深く考える。
一つを掘る。
数学やAI、法律や社会を横断的に学ぶ。
そういうタイプでした。
つまり、「教育への興味」は本物だった。でも「学校教員に求められる能力」と噛み合いきらなかったんです。一方で、今の塾経営という仕事はかなり“天職感”があります。
なぜか。
教育への興味に加えて、経営、数学、AI、法律、発信、戦略。
そういった、自分の得意や知的好奇心が全部つながったからです。
同じ「教育」でも、
学校では疲弊していたのに、塾では自然と熱中できる。
これは単なる努力不足ではなく、「興味」と「適性」の噛み合いの問題だったのだと思います。
どの業界でも同じようなことが言えると思います。
例えば、医療系
「人を助けたい」
「医療に関わりたい」
そう思って看護師を目指す人は多い。そして、看護師は本当に素晴らしい仕事です。
でも実際の看護は、同時進行、優先順位付け、対人ストレス耐性、瞬時の判断など、
かなり“こなす力”が求められます。
だから、
医療には興味がある。
でもマルチタスクが極端に苦手。
という人が進むと、「向いていない自分」を責め続けてしまうこともある。
どうしても中高生は、医師、看護師
のような身近で有名な職業に目が行きがちです。でも実際の医療現場は、本当に多くの専門職によって支えられています。
例えば、
医師は、勉強を続ける力や責任を背負う力が求められます。
看護師は、気配りや行動の速さ、マルチタスク能力がかなり重要です。
言語聴覚士は、人とじっくり話すことや寄り添うことが得意な人に向いている。
理学療法士は、人を励ましたり、身体を動かすことが好きな人に向いている。
作業療法士は、一人ひとりに合わせることや、発達・心理分野に興味がある人に向いている。
臨床検査技師は、コツコツ型で、正確性を維持できる人に向いている。
診療放射線技師は、機械が好きで、落ち着いて作業できる理系タイプに向いている。
薬剤師は、覚えることや、正確性を保つことが苦じゃない人に向いている。
つまり大事なのは、
「何に興味があるか」
だけではなく、
「どういう処理様式の人間なのか」
を見ることだと思っています。
だからこそ、中高生のうちにいろんな経験をしてほしい。部活、バイト、ボランティア、人前に立つ経験、裏方をやる経験。
そういうものを通して、自分はどういう時に疲れるのか。
どういう場面なら自然に力を出せるのか。
を知ってほしい。
知識や技術は、あとから身につけることができます。
でも、
人と話し続けるのが得意。
一人で集中するのが得意。
細かい作業が苦じゃない。
同時処理が得意。
みたいな“処理の癖”は、優先順位の問題であってその人の個性です。
もちろん成長はします。でも根本的には、
「何を優先して脳を使う人間なのか」
という傾向は、そこまで大きくは変わらない気がしています。
好きなことだけでは続かない。
得意なことだけでは心が死ぬ。
だから大事なのは、
「自分は何に興味を持ち」
「どういう能力特性を持っているのか」
を理解すること。
天職とは、
その二つが噛み合い、
自然と熱中できる場所なのだと、僕は思っています。


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